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城戸・笹部研究室

研究内容

城戸研究室での研究内容

有機半導体を用いた電子デバイスには大きく3つのアプリケーションがあります。電気を光に変える「有機EL」、光を電気に変える「有機太陽電池」、電気の流れを制御する「有機トランジスタ」。城戸研究室では、「有機EL」と「有機太陽電池」の研究開発に注力しています。「有機EL」と「有機太陽電池」は逆さまの機能を持つ兄弟デバイスです。このような特別な光・電子機能を持つデバイスは、一括りにして「光電変換デバイス」と呼んだりもします。ここで使われる有機半導体材料は、分子構造を設計して、有機合成化学と言うケミストリーのチカラで望みの機能を持つ材料群を無限に作り出すことができます。研究室では、世界のどこにもない新しい材料を自分で設計して作る、自分で開発した材料を世界最先端のデバイスにすることができます。材料の開発から高性能デバイスの開発まで全部出来る、これが特徴です。世界中探しても、大きなパネルまで全部できる研究室はどこにもありません。

「有機材料」や「有機半導体」と言うと、コトバは難しいですが、身の回りにあるプラスチックの仲間です。ただ、城戸研究室で扱うプラスチックは普通とはちょっと違います。特別な機能として電気を流したり、光ったりします。しかも、世界で一番エコでスマートな材料なんです。今までに、研究室の先輩たちが一生懸命実験して、新しい有機材料、デバイスの開発に成功して、「世界一」を達成しています。蛍光灯よりも省エネでスタイリッシュな白色有機ELパネルや塗って出来る透明な太陽電池。最近では、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の支援を受けて、乾電池2本で蛍光灯並みに光る有機ELの開発にも成功しました。有機材料は溶剤に溶かして、インク化することもできるので、プリンターで電子デバイスを作ることもできます。科学技術振興機構(JST)からの支援を受けて10年間のプロジェクトが進んでいます。将来は、紙を印刷するように曲がる照明デバイスや壁紙のような薄くて大きなディスプレイ、どこでも貼って使えるフィルムの太陽電池を作りたいと思っています。


研究テーマ:有機EL

新規有機EL材料の開発

有機半導体はその分子構造により無限のバリエーションを持ち、新しい材料の登場によってデバイス性能が飛躍的に向上する。当研究室では、有機ELを構成する発光材料、ホスト材料、キャリア輸送材料に関して、新規化合物の分子設計および合成を行っている。

特に、リン光発光材料に対するホスト材料として、π共役系をねじることでワイドギャップ化した新たな分子の開発を行い、青色発光における高発光効率を実現している。また、ピリジン環をモチーフとした新しい高移動度電子輸送材料を開発することで大幅な低電圧化を実現し、世界最高レベルの電力効率を実現している。

マルチフォトン発光構造素子

高発光効率・長寿命化の切り札として、当研究室で考案されたのがマルチフォトン発光構造素子である。キャリア輸送層および発光層からなる有機EL素子全体を2段、3段というスタック構造にすることにより、電流に対する輝度の大きさを2倍、3倍にすることができる。通常有機ELは高電流領域で発光効率および寿命が低下するが、マルチフォトン発光構造にすることにより低電流密度で高輝度を得ることができるため、寿命を大幅に伸ばすことができる。

化学ドーピング技術

有機薄膜への効率的なキャリア注入を実現する手法として、化学ドーピングの研究を行っている。これは、電極界面の有機材料にアルカリ金属や金属酸化物をドープすることでキャリア濃度を増加させ、オーミック接合を実現する技術である。これにより、注入障壁による電圧ロスや劣化過程を抑えることができ、低電圧駆動・長寿命を実現することができる。

高性能白色有機ELの開発

 これらの新しい要素技術の集大成として、世界最高レベルの白色有機EL素子の開発を行っている。半導体デバイスとしてのチューニングに加えて、光の取り出し効率向上などの光学的な設計も行っており、蛍光灯に置き換わる新たな照明光源を目指した研究を行っている。また、長寿命化のための研究も積極的に行っている。

フォトブリーチングによる発光パターニング技術

高精細ディスプレイの製造プロセスに必要なマイクロパターニング技術として、蛍光色素の光酸化を利用したフォトブリーチング法を開発した。この技術を用いれば、微細シャドーマスクによるRGBの塗り分けという、ディスプレイ作製において最も難しいプロセスを回避して、微細なマルチカラー化を容易に行うことが可能となる。

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