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城戸・笹部研究室

城戸の独り言

2001年11月11日
ちょっと不思議な話(その2)

 今から二十数年前になるでしょうか、私が中学生のころにUFOがはやりましたよね。「謎の円盤UFO」なんて番組があって、毎回わくわくしながら見たもんです。実は、しばらくなりを潜めていたそのUFOが最近また頻繁に飛来するようになりました。特に有機EL関係者の間で目撃されてるんですよ。

 

 ただし、この場合のUFOって、Unidentified Fluorescent Object(未確認蛍光物質、命名:三菱化学有機エレクトロニクス研究所長、佐藤佳晴氏)のことで、その基地が日本の化学メーカーなんですよね。たとえば、ある化学メーカー、仮に柏戸化学としましょうか、ここが効率の高い赤色蛍光色素の開発に成功した、なんて新聞発表するんです。赤色有機ELは他の発光色よりも効率が低くて、化学メーカー各社が開発にしのぎを削ってるんで、そんな発表があれば、投資家の注目を集めその会社の株価がしばらくストップ高で取引されるわけです。ところが、電機メーカーがその会社にサンプルを要求すると、いろいろ理由をつけてサンプルを出さないんですね。私は10社を超える電機メーカーとお付き合いさせていただいてますが、この新規赤色を手に入れて素子化して評価したところが半年たっても出ないわけです。こういう赤色色素がUFOと呼ばれ、だれもその姿、形を確認した人がいないんですよ。

 

 最近、あるメーカーが白色蛍光色素の開発に成功したとの発表をされましたが、こういうことが続くと、これもまたUFOなんじゃないか、と疑ってしまうわけです。もちろん、素子特性の詳細等(たとえば、量子効率、視感効率、寿命、色度座標)は一切公開されず、たぶん、現時点でも実際に白く光る素子を見た人はいなくて、将来的にもないんじゃないかと思います。もし、万が一、素子特性の評価をされた読者の方がおられたら、ぜひ御一報いただきいたいと思いますが・・・。特性が素晴らしければ、この場を借りて材料の宣伝をさせていただきます。もちろん、材料メーカーの方で当研究室で材料評価してくれということであれば、喜んでお引き受けいたしますよ。

 

 さらに、提案ですが、マスコミの方はこのようなUFOをなんの疑いも持たず報道するのは控えていただきたいと思います。空飛ぶ円盤目撃なんて情報は新聞紙上で報道しないでしょ、いまどき。ですから、材料メーカーの発表には、たとえば材料評価した際の素子構造や、前述の素子特性の公開を義務づけてはいかがでしょうか。また、実際に材料評価した第三者のコメントを添えるのもいいと思います。材料の構造の開示は特許なんかの絡みで控えるのは仕方がないにしても、単なる情報のたれ流しは、結局この分野の評判を下げ、足を引っ張ることにもなりますからね。それになんの罪もない一般投資家が泣くことにもなりかねませんから。

 

 と、いうことで今回は不思議なUFOの話でした。

 

 


超常現象研究所長 城戸淳二

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