韓国LG、有機ELテレビ来年に 日本市場に投入
韓国LG電子の日本法人LGエレクトロニクスジャパンは29日、基幹部品に有機ELパネルを搭載した薄型テレビを来年にも日本市場で発売する方針を明らかにした。具体的な投入時期や製品仕様は未定だが、米国と韓国で販売している高級機になる可能性が高い。国内の高級テレビ市場でシェア拡大を狙う。
日本の研究所であるLGエレクトロニクスジャパンラボの尾上善憲社長は同日の記者会見で「(日本での販売は)慎重に考えているが、来年、満を持して出す方がよい」と語った。LGは今年、平面タイプの有機ELテレビを日本で発売する見通しだったが、より映像をきれいに見える曲面タイプを来年投入する意向を示した。
LGの有機ELテレビは白色の有機EL材料をバックライトとして使い、パネルの後方から光を透過させて映像を表示する。液晶テレビと比べて明暗の対比が大きく、映像が鮮明になるとされる。曲面タイプは画面の中央がくぼんだ形になっており視聴者の目から画面の両端までの距離が均等。曲げられる有機ELの特性を生かしている。
有機ELテレビでは赤緑青の3色の有機EL材料を使い自ら発光させて映像を表示する技術の開発も進んでいるが、大型化が難しい。
LGは簡易な技術を使って市販で先行。曲面タイプは今年、韓国と米国で55型品を発売しており、韓国での価格は1500万ウォン(約130万円)。解像度をフルハイビジョンの4倍に引き上げた4Kテレビはソニーの55型品で実勢価格が50万円前後だ。
日本のテレビ大手は国内の高級テレビ市場で4Kテレビに注力している。LGは4Kテレビの日本での発売も検討しているが、有機ELテレビを先行投入しソニーやパナソニックからシェアを奪いたい考えだ。