山形)山大工学部の若手研究者2人に県科学技術奨励賞
山形大学工学部の多田隈(ただくま)理一郎准教授(40)と千葉貴之助教(33)に、県科学技術奨励賞が贈られた。多田隈准教授の「全方向に駆動する歯車を応用したロボットシステム」の研究と、千葉助教の「塗布印刷による有機ELデバイス」の研究が評価された。
多田隈准教授は、任意の方向に動力を伝える全方向駆動の歯車を開発した。歯車はその表面に沿った方向に動力を伝達でき、ロボットシステムの小型化や軽量化に貢献できるという。
千葉助教の研究は、ガラスなどの基板の上に薄い膜が重なっている有機ELの製造で、大幅なコストダウンが期待されるという。現在は真空・高温下で有機材料を蒸発させ、基板表面に膜を作る方式が取られているが、低温の大気圧下で膜を塗り重ねる手法を開発した。ただ、耐久性が実用水準に達しておらず、さらに研究開発を加速する必要があるそうだ。
奨励賞は県内の若手研究者の研究意欲の向上などが目的で、今回が15回目。両氏のほか、県工業技術センター専門研究員の松木俊朗氏が受賞した。授与式は10月17日に山形市であった。(石井力)