多層構造を持つ低分子塗布型有機EL素子の開発に成功
~印刷法でLED並の高効率白色有機ELパネル製造に道~
JST 戦略的イノベーション創出推進プログラム(S-イノベ)の一環として大学院理工学研究科の城戸 淳二 教授、夫 勇進 准教授らの研究グループは、多層構造を持つ低分子塗布型白色有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL)の開発に成功しました。 印刷技術を用いて製造コストを低減できる塗布型有機ELは、次世代のフラットパネルディスプレイや照明への応用が期待され、注目が集まっています。発光効率の向上が実用化に向けた課題の1つになっており、そのためには塗布によって有機材料を積層する技術の確立が望まれています。
研究者らは有機溶媒への溶解性を制御することで、これまでは一部の高分子有機EL材料によってのみ可能であった多層構造を低分子有機EL材料でも可能としました。これにより、塗布型有機EL素子における材料選択の自由度が大幅に広がり、印刷法でLED並みの高効率有機ELパネルを製造することができました。
本研究成果より、低分子有機EL材料を塗布により積層する技術を確立することができました。低分子材料は、高分子材料よりも材料の高純度化や分子構造の制御が容易であるため、塗布型有機EL素子の高性能化に向けた材料開発が加速されることが期待されます。
プレス発表資料は、 こちら(pdfファイル)をご覧ください。
■本件に関するお問い合わせ
大学院理工学研究科 有機デバイス工学専攻
教授 城戸 淳二 (電話:0238-26-3052)
准教授 夫 勇進(電話:0238-26-3595)